【自作詩】下の階の住人

昼の顔
夜の顔
あわせて。
黄昏時の顔を、
谷底に夕日を置いて
山の頂に朝日をつなぎとめる
夜の器は精神の脳で
昼の器は肉体の脳で
忘れた頃に
にわか雨が逆再生されて
ずぶ濡れの事実は
乾いていたという証左にはならない
頭のロッカーは地下1階
脳は地下2階
心は地下5階で
魂は闇の底
エレベーターはときどき絶妙なタイミングで故障する
だから、
同じフロアの住人と
時空の裏側を巡ってたどり着く