久々に素敵な詩に出会いました。
結婚してカナダで暮らしている友人から年に一度、
電子メールでクリスマスカードが届きます。
そんなご家族の写真を見ていたら、
ふと『シリウスの星・・・』というフレーズが思い浮かんできて。
英文学史で登場するジョン・ミルトンですが、
『失楽園』の作者というぐらいしか知りませんでした。
こんな素敵な詩を書いてたんですね。
年の瀬のささくれだった心に染み渡ります。
戻ってくれ, (アルカディアの川の神)アルペウスよ, お前の流れを怯えさせた恐ろしい声は去った。
帰って来てくれ, シチリアのミューズよ。
谷間に呼びかけ, 色とりどりの花々を
ここへ手向けよと告げるのだ。樹々と浮かれた風と小川が
やさしく囁きかわし, 日焼けした狼星シリウスの
視線も深くは届かぬすがすがしい谷間よ。
緑の草に蜜のような露を吸うお前の眼,
愛らしく色鮮やかな花たちを投げかけて
この大地を春の色で紫色に染めてくれ。ジョン・ミルトン 「リシダス」より
Return Alpheus, the dread voice is past,
That shrunk thy streams;
Return Sicilian Muse,
And call the Vales, and bid them hither cast
Their Bells, and Flourets of a thousand hues.
Ye valleys low where the milde whispers use,
Of shades and wanton winds, and gushing brooks,
On whose fresh lap the swart Star sparely looks,
Throw hither all your quaint enameld eyes,
That on the green terf suck the honied showres,
And purple all the ground with vernal flowres.John Milton’s “Lycidas”
出典:稲用茂夫「ジョン・ミルトン作「リシダス」 – 翻訳 -」