眠りの場所、目覚めの場所〈自作詩〉

どうして今まで
ここにとどまっていたのだろう

寝起き
不意に今いる場所を確かめたくなるように
眠りについていた場所を忘れていた

人は
目覚める前に眠りにつく場所を決めて
眠りに落ちた後に目覚める場所を見つける

どうしてここにとどまっているのか

土くれの味と
吹き荒ぶ寒風を味わい尽くした今
骨を焼く香りが夕食時のテーブルに籠る

自分の本来いるべき場所は
夢の先の幻と現実の間(あわい)

明日
十人でしか開かないと思い込んでいた扉を
自分一人で開ける

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