【詩】透明なチャンネル

じぶんの
探し求めているものが
見えないものだとしたら

この
ごつごつ
てざわりの岩や滝をとおりぬけて

求めるものは
山のむこうに
確かに見えている

ただし
見えないように
透明で
空気のようで
朝の冷気のように

じぶんの
ものとしてのチャンネルを
すこしずつゆらがせて
ただ
透明にしていくといい

同じ透明なチャンネルに合わせられば
ただそれだけで
目の前の岩や滝が
有りて無いものになって

わたしは
じぶんのさがしているものを
つかみ取るのではなくて
透明なチャンネルを同化して
空気が水と
時空の三点で溶け消えるように。